イオンの電気泳動
1.はじめに
簡単にできる電気泳動を紹介する。市販の15-20V程度の直流電源装置で目玉クリップを電極にスライドガラス上のろ紙を用いて行う。また,溶液の試料の場合は細く切ったろ紙を用いると固形のように結果がはっきりした。
2.準備
直流電源装置(15-20V程度),目玉クリップ,スライドガラス,ろ紙,はさみ,わにぐちクリップ付き導線,シャーレ,ピンセット
展開溶液:硝酸カリウム溶液(0.1M),BTB溶液(緑色),アンモニア水(0.5M)
試料:硫酸銅(2),過マンガン酸カリウム,塩酸(0.1M),水酸化ナトリウム溶液(0.1M),酢酸溶液(0.1M),アンモニア水(0.1M)
3.実験
(1) ろ紙をはさみでスライドガラスの大きさに数枚切る。
(2) 1のろ紙を2枚重ねにし,シャーレに入った展開溶液につけ,スライドガラス上に置く。両脇を目玉クリップでとめ,わにぐちクリップ付き導線で直流電源装とつなぐ。
(3) 2のろ紙上に試料を置き,電流を流す。
4.結果
(a)展開溶液:硝酸カリウム溶液(0.1M) 試料:硫酸銅(2),過マンガン酸カリウム
(b)展開溶液:硝酸カリウム溶液(0.1M)+アンモニア水(0.5M) 試料:硫酸銅(2),過マンガン酸カリウム
(c)展開溶液:硝酸カリウム溶液(0.1M)+BTB溶液(緑色) 試料:塩酸(0.1M),水酸化ナトリウム溶液(0.1M) 細く切ったろ紙使用
(d)展開溶液:硝酸カリウム溶液(0.1M)+BTB溶液(左),pH万能指示薬(右)
試料:酢酸溶液(0.1M),アンモニア水(0.1M) 細く切ったろ紙使用
5.考察
銅イオンの溶液の色は展開溶液にアンモニア水を加え錯イオンを形成させると見やすくなった。
酸・アルカリの組合せは強酸のものの方が移動量も大きく見やすかった。また,BTB溶液はpH万能指示薬と大差はなかった。
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