スチールウールによる炎色反応

 

1.はじめに

 安価で簡単にしかも水溶液で行える炎色反応を紹介する。炎色反応には白金やニクロム線を用いる方法があるが反応時間が短かったり高価だったりする。また,アルコールなどの有機溶媒に溶かして燃焼させる方法もあるが実際の分析には用いられない。ここでは燃焼させ酸化したスチールウールを用いることにより水溶液の吸着量を増加させ5秒間以上炎色反応を継続させる方法を開発したので簡単に紹介する。

 

2.準備

 スチールウール(スチールたわし),針金,ラジオペンチ,加熱装置

3.実験

 スチールウールを大豆くらいの大きさに手でちぎり(図),涙型に丸める(図)。針金を15cm位に切り,一方を釣り針状にラジオペンチで成形する(図)。そこに丸めたスチールウールのテール部分を入れラジオペンチで固定する(図)。

 次にスチールウール部分を炎の中に入れよく燃焼させ酸化する(図)。燃焼後も赤くなっているときは,息を吹きかけ酸化を促進させるとよい。これで完成で,後は白金を用いた炎色反応と同様に試料溶液に浸けて炎の中に入れる。ガスバーナーの場合はバーナー上部より1cm上に1/3程度入れるとよい(図:塩化銅と硝酸ストロンチウム)。演示実験の場合は針金を用いる代わりに金属製のピンセットを用いてもよい(図:硝酸ストロンチウム)。

4.考察

 酸化させないで用いることもできるが吸着量も少なく不純物の除去もできにくい。 

 


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